気後れすることもあるわなぁ~。
だんだん真面目に仕事すると、ピッチが上がってくるのがわかります。
今から80年近く前に、作られた足つき膳の箱書き。
和座の生活からテーブルの生活に切り替えた日本人。
今では、畳において使う移動テーブル「お膳」はほとんど使われません。
だから良いものが、安い。
売れないから。
息子、そこを狙って買ってくる。
何を狙うかって?。(ぁ、いまシマーを片手にふきのとう天ぷらつまんでいます。)
これからの画像は、フランチャイズでは絶対見せられないものです。
まず、蒔絵の素晴らしさをお見せしましょうね。
萩に水仙・薊、いずれも筆の立つ名工の作だと思います。
足がついています。綺麗に洗えば、傷一つないものです。
ジャキーーーン!足はぎ取っちゃいます。
・・・・この時・・・心痛みます。
だから、一気に片付けちゃいます。
テーブルの上で使える蒔絵のおもてなし膳に早変わりします。
収縮が少なく木地痩せしないポリエステルを、嵌ってた溝に充てんして今日はおしまい。(ポリエステルは土には還りませんが有害物質ではありません。ただし良い子は食べないでください。)
ただ、くっつけただけでなく、ちゃんと溝切ってはめ込んでありました。
そのままでは、使われる機会が少なくかといって、このようなグレードのテーブル仕様のものは当時は数が圧倒的に少ないという中で、骨董屋さんにまねのできない細工で漆の本職が気が付かない方法で問題を解決してしまったのです。
それが、正しい行いか否か?
良い子は、絶対そんなこと思いつきません。
でも・・・・・、そうすると100パーセント売れることは実証済み。
それが、作り手として正しい行いか否か?
いつもこの仕事をするとき、何かしら心の痛みを伴うのです。
ただ、こうして工夫して生き延びてきたのは事実です。
もちろん、足はとってありますと正直に申告しています。
この後、漆のりにより本麻の布張りを施します。
下地作業に入り、順調なら1週間後にはYOスペシャル?が誕生します。
気が向けば、工程の続きと完成を報告します。
結局、今日は自分のカタルシス。
カミングアウトしちゃいました。
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