わが人生の最高傑作決定!
それはおかんの何気ない呟きから始まった。
「あんたいいもの作ってくれたねぇ」
オカンがオトンの肩のリハビリ体操を習いに行った病院の帰りを実家へ送る車の中のことであった。
「あれいね」
「あれいねって、わからんやろが?」
「お父さんの、〇〇こほじくる道具!」
・・・・・・・思いだした。
おとんは、もう7~8年まえから、気張る力が減退して最終出口から放出に難儀していた。
出始めが、固いのである。
「お前、ほじくる道具作ってくれ」
まぁ、父親なので「いやや」とも言えず、作るからには立派なもんをと…。
なんか手許に、水牛の角で作ったようなスプーンがあった。
イメージは、利休が造ったような「茶杓」
腸の内壁を傷つけにように、ツルンツルンに磨いた記憶がある。
「なんや、あれもっとんタンカ?」
実は当時も、具合がよかったらしくオトンには感謝されたが、主治医に得意げに道具自慢したら、「〇〇さん!いけません!それは医療行為で腸壁傷つけたら大変なことになりますよ!」
っと、使用を禁止されたものなのです。
ここで、現品を撮影してきましたんでお見せいたします。
ここ最近、ますあす活きれなくなったオトンは、医者の薬を借りているのだが最初の数センチで躓くらしい。
おかんは、看護師よろしくオトンのベッドの横に椅子を置き、数センチずつ掻きとってあげてるらしい。
年を取ると、耳掻きどころか糞掻きも射程距離か!
オカン、ほんとに何気ない感じでしゃべるんです。
「あれは重宝してるわ、何とも言えん位に掻き取れるんやわ。」
「もう最高!家宝にしたい」・・・・これ忠実に言った言葉を再現しています、加飾なし。
いやぁ、褒められたと思えば、うれしいのだけれど・・・・・。
「あんたの作ったもんの中で、一番やと思う」
「へぇ~、じゃぁ~最高傑作?」
「あははは、そう!」
わが人生の最高傑作は耳掻き棒ならぬ、チビ掻き棒?
研究秘話は、なましいので言わぬが華。
誰にも言わないでください。
関連記事