simile and metaphor 2

yo1

2012年10月07日 19:38

「落ち着いて!落ち着いて冷静に考えるのよ、simile」

わたしは自分に言い聞かせた。

まだチャンスはある。

あのものは、私がもうだめだと観念するのを待っている。

ワンチャンス!そうその1回に賭けてみよう。

私は、抗(あらが)うことをやめ出来るだけ羽をおおきくひろげた状態で静かに眼を閉じたふりをした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「お~ぉ~、ようやくおとなしくなったな」

「それでは、仕上げにかかろうか。」

通常は、遠巻きにしながら何重にもぐるぐる巻きにしてそれから近づくのである。

自分の倍近くある相手である。

暴れられたらせっかくの網の糸が台無しになってしまうからである。

しかし、蝶があまりにもおとなしくなったので、そこに油断が生じてしまった。

metaphorは、そろりとそろりと手綱の1本1本を離し、糸伝いにその「蝶」へと近づいて行った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
simile:(もうすこし、もうすこし、がまんがまん。)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「うっうっうっ、たまらん。なんという良い香りだ。」

「おいらは、このところずっと腹ペコだし、なによりもなんと大きな蝶なんだ!」

相手の体をしびれさせる毒針からは。もうよだれともつかない液体がぽたぽたと滴(したた)り落ちていました。

近づいて、毒針を突き立てようと体を起こした瞬間でした。

ぐったりしていた「蝶」はいきなり身を縮めたのです。

緊張していた糸は一気にたわみ、そのあと大きく広げられました。

手綱を放棄されていた糸は一気にばらけ、はずみで「蝶」に突き立てられる針を自分に突き立ててしまった「蜘蛛」は一瞬気を失ってしまいました。

蜘蛛の糸は、そのまんま裏返しになり「蜘蛛」自身を閉じ込める小さな檻になってしまいました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
simile はそれを、森の魔女koikeiのもとに運んでいきました。

おそらく、「蝶」と「蜘蛛」の歴史始まって以来の「蝶」の罠にかかった初めての「蜘蛛」。

いまでは、森の魔女のランプになってしまったとさ。

めでたしめでたし。

おしまい。



このブログをご覧になった沖縄在住のみなさん。

森の魔女koikeの魔法がかかった「蝶と蜘蛛のランプ」の本物が浦添市の茶房「花水木にて10月27日まで見られます。

もちろん購入することもできます。

詳しくは、こちらのページにて


関連記事