やんばるの不思議な一夜を、過去の写真から捜し出してみました。
一部です。
モロちゃんが、連れて行ってくれたのは大宜味を過ぎたあたりから東シナ海を太平洋岸へ向かって山の中に分け入る道の一本、ちょうど山の中腹あたり。
琉大の芸術学部の後輩、K氏宅。
登り窯を何基かもつ方陶芸家。
敷地には、湖と言えるほどの大きな池や山があり、何万坪と言うスケールでした。
細かく書くと、長編になるので、「不思議な一夜」に絞ります。
宵闇も迫る頃、案内する本人が何度も道に迷いながらたどり着きました。
嘘じゃなく、四角錐の構築物がいくつかある棟の中で、ひときわそびえたっていました。
敷地内で切り出した原生林の巨木を4本柱にして、地形の自然の石を礎石にしたピラミッド構造の構築物です。
中に入ると、相撲の土俵の支柱みたいに内側からさらに4本の柱。
底にステージの様な囲炉裏。
2月の沖縄やんばるの森で、不思議な光景でした。
以降の写真のほとんどがハレーションを起こし上掲の様な写真の連続。(何の所為かは、言わぬが華)
その場所は、焼き物の作品の展示場で、たくさんの作品が並んでいました。
しかしひときわ目を引いたのが、薄緑色に湿気を含んで苔が生えている無数の壺でした。
後でふるまわれたのですが、、最高25年寝かせた古酒(くーすー)の貯蔵庫。
圧巻・唖然・茫然。
そのころには、やんばるの宵は物の怪の世界を感じる重い密度の闇に…。
せっかく来たんだから、晩飯でもいかがですか?
その地で収穫された大豆をミキサーで擂り、木綿で濾したものに海水を加え加熱。
初めて造らせていただいた、ゆし豆腐。
離れへと・・・・。
その道は、沼地の様な所を通ります。
写真の2本のロープは、実はブランコです。
ブランコの下は、水面。
どうやって乗るんだろう?
「このブランコ?」
「あぁーそれキジムナー用」
至極あっさりと、日常会話。
「ふ~ん、」
今までのシチュエーションから考えれば、まぁ、なんでもあり。
同事に撮ったストロボ焚かない画面、2本のロープの間に光った眼の様なもの気が付きません?
気のせいですよ。
ふふふ、ねこです、
宴は始まりました。
収穫したジャガイモ、ゆし豆腐、野菜色々動物性たんぱく何故か秋刀魚?
静寂が支配する四十万に、赤々と火の灯りだけ・・・・木のはぜる音が響きます。
炉端には、ちろりに入れられた琥珀色の古酒(くーすー)と一寸法師のお茶わんみたいなさかずき。
ブランディーの様な芳醇な香りととろけるような粘りを帯びた液体。
傍に、湧水のコップを置き、ちびりと舐めながら冷えた水をぐびりと吞む。
その地で無農薬で栽培された、大地の恵み。
目の前に、、髪を振り乱した悪鬼の様なモロちゃん、まことちゃんカットで絶対60歳を超えているはずなのに白髪ひとつないKさん、物静かに控える奥さんとお孫さん、嫁はん。
言葉少なな宴会であったが、日本昔話のような、トワイライトゾーンがそこにあった。
後で聞いたが、Kさん、陶芸家と言うよりくーすーや農業ではつと有名な方で、陶芸はなんかあまり熱心でない様な・・・・。
東京などの通の方には、有名なくーすー供給家だとか。(仕込みの酒は,舞富名と後日突き止め、以降は愛飲酒はこれ、くーすーにしたいが、必ずなくなる。)
やんばるの夜は更けて・・・・
その日の宿の本部のホテルに投宿したのは翌日でした。
モロチャンは、恩納の自分のお店の床にごろ寝したそうです。
そうそうモロチャン、関西で個展して惨敗しやけ酒吞んで路上に転がっていたら、見知らぬ人が「ほれ、おじさん風邪ひくよ」と千円くれたそうです。
「僕ってよっぽど困っているんだと思われたのかねぇ?」
まぁ、酔っ払って道路にごろ寝する人は本土では限られてますからねぇ。
私たち夫婦のの沖縄滞在はいくつかの交友パーツに区切られた滞在で、私たちの沖縄の知り合いが互いに交わることはない感じですが、個性ある沖縄は満喫っせていただいております。
人生の一時期、過ごしたいのだけれど、住む場所によって生活のスタイル変わるしなぁ。
悩ましい。
ぁ。Kさん、湖のほとりにペンキで「キジムナーの部屋」とかいた、昼寝部屋持っている。
これが木の股に板を渡したトムソーヤの冒険みたいな小屋。
彼のUFOの話、信じます。
自然に寄り添って、曲がったもの一切食べず、感じるこころ古代人のように鋭敏です。
奥さん、たぶんもっとすごい。
大きいです。