2012年08月03日
おもいこみ
今年の4月に、沖縄県立美術館で開催されてた「田中一村展」を見に行く予定でした。
それは、叶わなかったのだけど・・・・。
何故か、私が住む北陸の地にやってきました。
それは、彼に絵を描かせた人がこの地にいたからです。
私にとってはなんと素敵な贈り物なんでしょう。

100万石前田のお殿様のお庭、兼六園に隣接し、金沢美大の元校舎(陸軍の兵器庫)の赤レンガと緑の芝生とモミやアメリカフウなどの針葉樹が、まるで西洋の公園を想像させるような杜の一角に美術館はあります。

訪れることができなかった「田中一村展」、沖縄ならぬ地元でよめはんと二人でリベンジ。

サマーセット・モーム「月と6ペンス」という小説には、タヒチにて独特の画風をうちたてたゴーギャンを髣髴させる登場人物が描かれています。

そのゴーギャンに例えられる仕事を日本で残した人と言われているようです。
田中一村という画家の生涯は、経済的に恵まれていたわけではなかったようです。
極貧で、最後はひとり食事の支度中に倒れ生存中は一度も脚光を浴びることなく世を去ったと言われています。
実物を鑑賞させていただきました。
TVの画面でしか見たことなかったんだけれど、その作風への「おもいこみ」って相当あるんだなっと。
色彩のイメージが、全然違っていました。

思い込んでいた、南国の極彩色より優しく寂しげな色合い?
南国の強烈な太陽のイメージはありませんでした。
やはり、優しくて寂しげ。
絹本に日本画の岩絵の具と言う組み合わせが、より孤高と言うことを際立たせているのかな。
上の絵のソテツの実の先の波や浜辺の描写は、感動ものだと思いました。
これは、閻魔様へのお土産だというのもうなずけるなぁ。
一生を捧げるだけの仕事をした人なんだな。
3年働いて、2年絵を描くのに没頭する。
これって、自分のために生きている。
個人的には、「秋色」という題材の色彩感に惹かれました。

初期の頃の作品だと思うのですが、後年奄美に移ってから自分の「かたち」を確立したときの「色彩」と比較すると、むしろ後年はトーンを抑え気味したのかな?

小品でしたが、空の高さ、風を感じて好きです。


実際の喰わずいもと彼の絵の喰わずイモ。
絵が持つ力って、あるんですよね。
実物の作品と自分が思い込んでいた作品の差が大きかったが第一印象でした。
思い込みは、当てにならない。
「結婚とは大いなる勘違い」とは誰かが言った格言。
勘違いのお話でした。
ちゃんちゃん。
Posted by yo1 at 07:33│Comments(0)
│日記