
2012年12月20日
下地(しもじ)ではなく、下地(したじ)の話です~。
今のお仕事は?っと聴かれると・・・・・。
”うるし塗りの半端職人で~~す”と応えることにしています。
”うるし”って、仕上げの朱や黒の美しさや加飾と呼ばれる模様の華やかさに目が行きがちなんですが、下地(したじ)と言ってお化粧のファンデーションにあたる部分の手を抜くと、数年もたたないうちに劣化が進んできちゃうものだと思います。

このドロドロの液体は、漆の木を傷つけて出て来る樹液を一滴一滴すくい集めたものです。
生漆(きうるし)と言います。
これを何度も、対象の木に擦り込んでは余分な生漆をふき取って仕上げる方法を”拭き漆”と言います。

塗りものの最初にも木地固めと言って、この樹液を沁みこませる作業を行います。
ずいぶん前から最後には見えないこの段階で、化学塗料を使って安上がりに仕上げ、化け化粧した商品を良く見かけます。
これは、プロでなければ多分見破れません。
ここ何年か、骨とう品を扱っていると漆器物は如何に下地が大切かが痛いほどわかります。
15年ほど前に、問屋の下請け職人辞めました。
安い下地で、儲けを出さなくてはいけない為に、シンナーやホルマリン・鉛などろくでもない有害物質で、まず自分の体を痛め続けていることはとてもつらいことでした。
そんなものを使わないで、中間の流通を省いて自分で売ることを考えました。
最初見よう見まねで、伝統技法を手探りしました。

昭和の古いちゃぶ台をまず麻布で覆います。
麻布だって、今出来を買えば1メーター四方で中国麻¥2000もするんですが、骨董の業者市で本麻の蚊帳を買えば1張り¥2000で買えちゃいます。

お米の粉(上新粉・白玉の原材料)と生漆を練り合わせた糊漆と言うものを作りヘラでしごきながら余分な漆を掻きだして麻布を貼り付けます。

乾いたら、サンドペーパーなどで下地がなじみやすいように滑らかにします。
名人は、ここで木のヘラを自分で削りだし、手足のごとく華麗な手さばきで塗り込みます。
わたしは半端職人なので、市販のプラスチックヘラをふすま張り用のヘラまで総動員して何とか体裁を繕います。

誰も師匠がいなかったので、たぶん自己流オリジナルの技術なんだろうと感じています。
習うより慣れろ。
失敗の連続の先に・・・・・。


仕上げまで、ヘラのみで刷毛は使いません。
結構フラットな仕上がりにできるようになりました。
修練ではないかと・・・・・。
近頃、ヨメに褒められて・・・・・。
豚は木に昇りました。

私の下地は、糊漆と地の粉という輪島塗に使われる硬度の高い粉を練り合わせたものです。
沖縄などの下地は、地産地消でクチャと豚の血など身近な特産品の中から適合素材を見つけ出して作られています。
見えないところは年月を経るに従い見えるようになるものです。
剥げたとか変色したとか、今のところ過去に生産したものへのクレームはありませんが、今にして思えば初期の頃の試行錯誤品は恥ずかしい腕前の物もありました。
材料だけは、初めから本物を使ったのでそれで救われたのかなと思っています。
下地(しもじ)ではなく、下地(したじ)の話です~。
眠い!OH午前1時半・・・・おやすみなさい。
”うるし塗りの半端職人で~~す”と応えることにしています。
”うるし”って、仕上げの朱や黒の美しさや加飾と呼ばれる模様の華やかさに目が行きがちなんですが、下地(したじ)と言ってお化粧のファンデーションにあたる部分の手を抜くと、数年もたたないうちに劣化が進んできちゃうものだと思います。

このドロドロの液体は、漆の木を傷つけて出て来る樹液を一滴一滴すくい集めたものです。
生漆(きうるし)と言います。
これを何度も、対象の木に擦り込んでは余分な生漆をふき取って仕上げる方法を”拭き漆”と言います。

塗りものの最初にも木地固めと言って、この樹液を沁みこませる作業を行います。
ずいぶん前から最後には見えないこの段階で、化学塗料を使って安上がりに仕上げ、化け化粧した商品を良く見かけます。
これは、プロでなければ多分見破れません。
ここ何年か、骨とう品を扱っていると漆器物は如何に下地が大切かが痛いほどわかります。
15年ほど前に、問屋の下請け職人辞めました。
安い下地で、儲けを出さなくてはいけない為に、シンナーやホルマリン・鉛などろくでもない有害物質で、まず自分の体を痛め続けていることはとてもつらいことでした。
そんなものを使わないで、中間の流通を省いて自分で売ることを考えました。
最初見よう見まねで、伝統技法を手探りしました。

昭和の古いちゃぶ台をまず麻布で覆います。
麻布だって、今出来を買えば1メーター四方で中国麻¥2000もするんですが、骨董の業者市で本麻の蚊帳を買えば1張り¥2000で買えちゃいます。

お米の粉(上新粉・白玉の原材料)と生漆を練り合わせた糊漆と言うものを作りヘラでしごきながら余分な漆を掻きだして麻布を貼り付けます。

乾いたら、サンドペーパーなどで下地がなじみやすいように滑らかにします。
名人は、ここで木のヘラを自分で削りだし、手足のごとく華麗な手さばきで塗り込みます。
わたしは半端職人なので、市販のプラスチックヘラをふすま張り用のヘラまで総動員して何とか体裁を繕います。

誰も師匠がいなかったので、たぶん自己流オリジナルの技術なんだろうと感じています。
習うより慣れろ。
失敗の連続の先に・・・・・。


仕上げまで、ヘラのみで刷毛は使いません。
結構フラットな仕上がりにできるようになりました。
修練ではないかと・・・・・。
近頃、ヨメに褒められて・・・・・。
豚は木に昇りました。

私の下地は、糊漆と地の粉という輪島塗に使われる硬度の高い粉を練り合わせたものです。
沖縄などの下地は、地産地消でクチャと豚の血など身近な特産品の中から適合素材を見つけ出して作られています。
見えないところは年月を経るに従い見えるようになるものです。
剥げたとか変色したとか、今のところ過去に生産したものへのクレームはありませんが、今にして思えば初期の頃の試行錯誤品は恥ずかしい腕前の物もありました。
材料だけは、初めから本物を使ったのでそれで救われたのかなと思っています。
下地(しもじ)ではなく、下地(したじ)の話です~。
眠い!OH午前1時半・・・・おやすみなさい。
Posted by yo1 at 01:37│Comments(2)
この記事へのコメント
製作過程っておもしろいですね。
工夫があって、なるほどなぁと興味が湧きます。
工夫があって、なるほどなぁと興味が湧きます。
Posted by ★うずまきk
at 2012年12月20日 04:10

UZさんへ
特別公開:ここが勘所。
プラスチックのヘラの弱点は、腰のしなりとヘラ先の微妙な調整とヘラ先角部分が鋭敏過ぎることです。
結局、この弱点を克服すると市販品で代用できるという結論でした。
見た目はプラスチックのヘラですが、実は自分の使い勝手のために微妙に改造してあります。
特別公開:ここが勘所。
プラスチックのヘラの弱点は、腰のしなりとヘラ先の微妙な調整とヘラ先角部分が鋭敏過ぎることです。
結局、この弱点を克服すると市販品で代用できるという結論でした。
見た目はプラスチックのヘラですが、実は自分の使い勝手のために微妙に改造してあります。
Posted by yo1
at 2012年12月20日 07:11
