2013年03月05日
初めの一歩

この大量の塗り直した80年~100年前の箪笥は、3月1日きっちりと納品させていただきました。
腰を痛めたので、3日ほどウダウダとしていましたが、次のお客様のオーダーに取り掛かりました。

終戦時、大陸から引き揚げるとき診察器具を積んできたというお医者様の遺品の長持ちトランク。
修復とレフレッシュです。
総楠(くすのき)造りという大変レアなものです。(箪笥の虫除けの樟脳の原料)
2個お預かりしました。
割れているところが多くありとりあえず、接着と欠け継ぎと言う作業。
どれどれ?


たぶん、カギ失くして蝶番(ちょうつがい)もぎ取って開けたので裂けてるんだわ。
アロンアルファの木工用は、細いノズルが付いている。
けっこう強い味方に・・・・。
裂け目に沿ってノズルを差し込み・・・・。


普通クランプと言う道具使うんですが、自分的には”はたがね”という別用途の道具使う。
しかも細かく締めこむんだけれど、物との間に積層合板と言うもの挟むと均一に圧力が働き、かなり裂け目が目立たなくなるはずです。
完全にとんでなくなっている部分は、とりあえず蝶番が効くように欠け継ぎという木をはめ込む。




これは今日買ってきた、新製品のクランプで絞めてみました。

なんせ、1個¥148~170くらい。
やっすくねぇ~?
予算余裕かまして、セーフ。
道具増えて満足、満足


蓋部分の立ち上がりは、折れてなくなっていた。

これはしょうがないから、外して作り直し。
楠は以前材料に持っていたが、工場解体の時捨てちゃった。
なんか代用捜しましょうねぇ。
で、今後の作業方針を検討。
なんせ、70≒80年は経ていても、虫1つ食われてないってすごいな。
中まで、漆塗るんで代用の木を捜そうかと・・・・。
外装のの塗り方が問題となった。
金具付けて塗ると、失敗と綺麗さを損ねるリスクあり。
こういう時は、丁寧に金具を全部はずし黒枠も本体から外して塗る。
初めの1歩を間違えると、恐怖の2度手間という罠が待ち構える。
2~3日はねっちりと神経使った作業が続きます。
お久に、仕事の記事でした。
一応、真面目に仕事はしてるんだよ。
Posted by yo1 at 22:54│Comments(0)
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