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2012年06月01日

(ちっぽけ)のおはなし

題名が決まりました。

「ちっぽけのおはなし」。

原文読むと、どうしても「おやゆび姫」にしたくない。

「TINY」で最後まで行くのです。

だから、「ちっぽけ」。

訳文続きです。

お話は、せっかくヒキガエルから逃れて、ほっとするまもなくいきなり現われたコガネムシにさらわれたところから始まります。

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(ちっぽけ)のおはなし


だけど、とりわけ(ちっぽけ)が、心配(しんぱい)していたのは、彼女(かのじょ)がはっぱにむすびつけた、あの美(うつく)しい蝶(ちょう)が彼女(かのじょ)の腰ベルトをはずせなくて、ごはんもたべられないで、死(し)んじゃうんじゃないかということでした。

しかし、(こがねむし)には、そんなことはまったく関係(かんけい)ないことでした。

(こがねむし)は、大(おお)きな緑(みどり)の葉(は)っぱの上(うえ)で(ちっぽけ)のそばにすわり、花(はな)のみつをあたえながら


「おまえさんは、おいらのような(こがねむし)にはちっとも似(に)てないんだが、とってもかわいいね」
と、どこ吹(ふ)く風(かぜ)でいうのでした。

(ちっぽけ)のおはなし


しばらくしたら、あたりの(こがねむしたち)が触角(しょっかく)を立(た)てながらあらわれ、口々に・・・。


「なんとまぁ、みにくいすがたなんだろうねぇ。おまけに二本(にほん)足(あし)だよ!」


「わたしたちのような美(うつく)しい触角(しょっかく)なんてないじゃないか!」


「この娘(こ)の腰(こし)ときたらまぁ、やせっぽちで貧相(ひんそう)で、まったく人間(にんげん)みたいじゃないか!」


「あぁ!まったくみにくいったら、ありゃしない!」


(ちっぽけ)のおはなし

と本当(ほんとう)は(ちっぽけ)は可愛(かわい)いのに、女(おんな)の(こがねむし)たちは、口々(くちぐち)にさけんだのです。


(ちっぽけ)をつれさってきた(こがねむし)は、女(おんな)たちがわざと言(い)った「この娘(こ)は、みにくい!」ということばをすっかり信(しん)じ込(こ)んでしまいました。


それで、もう何(なに)も言(い)いだせなくなり(ちっぽけ)に「おまえは、好(す)きなところに行(い)けばいい」と言(い)いました。

(ちっぽけ)のおはなし


それから彼(かれ)は(ちっぽけ)を連(つ)れて行(い)った木(き)から舞(ま)い降(お)り、1本(いっぽん)のヒナギクの上(うえ)に彼女(かのじょ)をおろしました。


(ちっぽけ)は、こんな(こがねむしたち)さえ、だまってしまうほど〈みにくい〉といわれたことにとてもきずついて泣(な)いていました。

だってずっとずっと、(ちっぽけ)はバラのはなびらのように、愛(あい)らしくやさしくて、ひとが思(おも)い描(えが)く限(かぎ)り<いちばん>のかわいいいきものだったんですから・・・。


落(お)ち込んでしまった(ちっぽけ)は。夏(なつ)の間中(あいだじゅう)広(ひろ)い森(もり)の中(なか)で一人(ひとり)ぼっちですごしました。


雨(あめ)をしのぐために、大(おお)きな葉(は)っぱの下(した)に自分(じぶん)でほそい穂先(ほさき)の草(くさ)を編(あ)み、ベッドをつりさげました。


たべものは、花(はな)のみつをすすり、飲(の)み物(もの)は,草(くさ)のあさつゆを飲(の)みました。


あっというまに、夏(なつ)がすぎ秋(あき)がとおりすぎていき、長(なが)くて寒(さむ)い冬(ふゆ)がやってきました。とりたちはいなくなり、草木(くさき)はかれてしまいました。


(ちっぽけ)がすんでいたひなん場所(ばしょ)のクローバーの葉(は)はくるまったりしぼんだりするか、黄色(きいろ)く枯(か)れていってしまいました。


(ちっぽけ)のきているものはもうボロボロで、ただでさえか弱(よわ)い彼女(かのじょ)は凍(こご)え死(し)ぬ寸前(すんぜん)でした。雪(ゆき)がひどくなりました。


ふつうの人に、ショベル一杯(いっぱい)の雪(ゆき)のかたまりに感(かん)じられるユキ粒(つぶ)がおやゆび半分(はんぶん)の彼女(かのじょ)に降(ふ)りかかります、かわいた葉(は)っぱをまといましたが、枯(か)れた葉(は)はわれて、さむくてブルブルとふるえるばかりでした。


(ちっぽけ)が寝起(ねお)きしていた森(もり)のそばに昔(むかし)に刈(か)り取(と)られたままの大麦(おおむぎ)ばたけが、ひろがっています。


そこには、凍(こお)ったじめんとかわいた刈(か)りかぶが立(た)っているばかりで何(なに)も残(のこ)ってはいませんでした。


ちいさな(ちっぽけ)にとっては、大(おお)きな森(もり)の中(なか)をを苦労(くろう)して抜(ぬ)けるようになものでした。


とにかくもう、彼女(かのじょ)は凍(こご)え死(し)にそうになっていました。


ついには、大麦(おおむぎ)の刈(か)り株(かぶ)の下(した)にちいさな巣(す)穴(あな)を構(かま)える、野(の)ネズミの入口(いりぐち)のドアにたどりつきました。


そこには、野(の)ネズミのおばさんが、暖(あたた)かくて心地(ここち)よいすてきな居間(いま)と台所(だいどころ)そして部屋(へや)いっぱいに食(た)べ物(もの)がつまった倉庫(そうこ)の巣(す)穴(あな)にすんでいました。


野(の)ネズミおばさんの家(いえ)のドアの前(まえ)に、あわれな(ちっぽけ)はものごいの少女(しょうじょ)のようにたたずみました。


おばさん、二日間(ふつかかん)たべもののひとかけらもたべていません。大麦(おおむぎ)のひとかけをめぐんでいただけませんか?」とお願(ねが)いしました。


「おやまぁ!あわれないきものだこと」年老(としお)いた優(やさ)しい野(の)ネズミおばさんは、「私(わたし)の暖(あたた)かいおうちで私(わたし)と食事(しょくじ)しましょ」といいました。


野(の)ネズミおばさんは、(ちっぽけ)がとっても気(き)に入りました。


「おまえがよければ、冬(ふゆ)の間(あいだ)ずっと私(わたし)といっしょにいていいんだよ。そのかわり、おまえは、わたしの部屋(へや)をきれいに片(かた)づけて私(わたし)がよろこぶようなお話(はなし)をきかせておくれでないかい?」 (ちっぽけ)は、野(の)ネズミおばさんとの約束(やくそく)をちゃんとはたし心地(ここち)よい毎日(まいにち)をすごしました。


あるひ、野(の)ネズミおばさんが「もうすぐお客(きゃく)さんが、来(く)るよ。おとなりさんがいっしゅうかんに一度(いちど)やってくるのさ」と(ちっぽけ)にいいました。


彼(かれ)は私(わたし)なんかよりも、もっとくらしむきが良(よ)くって大(おお)きなへやを持(も)ってて美(うつく)しい黒(くろ)ビロードのようなコートをまとっているんだよ。

(ちっぽけ)のおはなし


おまえが彼(かれ)をだんなさんに持(も)てるなら ほんとうに幸(しあわ)せにくらせるだろうよ。


だけど、彼(かれ)は眼(め)が見(み)えないんだよ、おまえはもてなしにとびっきりなお話(はなし)をしてあげておくれ。
(ちっぽけ)はやって来(き)たおとなりさんに、ぜんぜんきょうみをもてませんでした。


・・・・・・彼(かれ)はモグラだったのです。

(ちっぽけ)のおはなし


ともかくも、もぐらおじさんは黒ビロードのコートをまといやってきました。


モグラおじさんは、大金持ちでものしりで、私の20倍大きな部屋をもってるんだよと野ネズミおばさんが(ちっぽけ)にいいました。


うたがいもなくモグラおじさんはおかねもちでものしりだったのですが、おひさまや、きれいな花をけっして見ることができないのにばかにしていたので、(ちっぽけ)は、しょうがないから♪てんとうむし、てんとうむし、おうちへ飛んでっちゃった♪や、たくさんのかわいい歌をうたってあげました。

(ちっぽけ)のおはなし


やがてモグラおじさんは(ちっぽけ)が、あまりにかわいい声でうたうもんだから彼女がだいすきになりました。
でも、はずかしがりのおくびょうなモグラおじさんは、そのことをなかなか言いだせませんでした。


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