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2012年06月06日

ちっぽけのお話の続き。

このお話は、章で言うと8章節めさしかかるところまで来ました。

ひきがえるから逃れた,ちっぽけがコガネムシにさらわれ「言葉」で自分のアイデンテティを傷つけられます。

自信喪失ということでしょうか?

すっかり傷ついてひきこもりになったちっぽけは、森で独り過ごしていましたが、冬になりひもじさと寒さに追われやむなく野ネズミの巣に物乞いに行きます。

優しい野ネズミは、ちっぽけの滞在を許したので彼女は凍死・飢え死にを免れました。

今度は優しすぎる野ネズミが、お母さんの気持ちで縁談を進めます。

それが、モグラとの結婚です。

作者は、それぞれの価値観と言う問題をテーブルにさりげなく並べています。

気に沿わぬ相手でも、食と住が保証された安泰な生活かそうで無い価値観か?

魔法の世界の美しい娘の結婚という物語は、一気にある出会いへと続くのです。

結末を訳し終えた私には、最後のところで作者が何を思ったのか・何が作者の価値観なのかを考え始めています。

それは、孫娘には何の関係もなく「おとぎ話」でよい話でもあるんですけれども・・・・。


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すこしまえに、モグラおじさんは、彼(かれ)の家(いえ)と野(の)ネズミおばさんの家(いえ)をつなぐ、長(なが)いトンネルを掘(ほ)ったばかりでした。

そして、その通路(つうろ)を(ちっぽけ)と野(の)ネズミおばさんが、一緒(いっしょ)に自由(じゆう)に行(い)き来(き)できることを、許(ゆる)していました。

そして、トンネルの中(なか)によこたわっている鳥(とり)の死骸(しがい)を恐(おそ)れないようにと注意(ちゅうい)しました。

鳥(とり)は、くちばしから羽(はね)まで欠(か)けてない完全(かんぜん)な姿(すがた)でした、そして死(し)んでから間(ま)もない感(かん)じでモグラおじさんがトンネルを掘(ほ)ったちょうどその場所(ばしょ)に横(よこ)たわっていたのです。

もぐらおじさんは、燐光(りんこう)木(ぼく)をくちにくわえ、暗闇(くらやみ)をたいまつのようにてらし、暗(くら)くて長(なが)いトンネルを2人の前(まえ)を照(て)らしながら進(すす)みました。

モグラおじさんたちが、死(し)んだ鳥(とり)が横(よこ)たわっているところに差(さ)し掛(か)かった時(とき)、かれは、そのひしゃげた鼻(はな)を、天井(てんじょう)に向(む)かって押(お)し付(つ)けました。

すると、天井が割れて大(おお)きな穴(あな)が開(ひら)き、日(ひ)の光(ひかり)がトンネルの中(なか)に差(さ)し込(こ)んできたのです。


トンネルの床(ゆか)に横(よこ)たわっていたのは、死(し)んだツバメでした。

日(ひ)の光(ひかり)に照らされたツバメのその美(うつく)しい羽(はね)は折(お)りたたまれ、足(あし)や頭(あたま)を羽毛(うもう)の中(なか)に縮(ちじ)こまらせていました。・・・どうやら、かわいそうなこの鳥(とり)は寒(さむ)さのために死(し)んだようです。

その姿(すがた)を見(み)た(ちっぽけ)は、その鳥(とり)が夏(なつ)の間(あいだ)ずっとおちびちゃんを楽しませてくれた小鳥(ことり)で、ときに歌(うた)いときにささやいてくれた、あの小鳥(ことり)だと気(き)づきとても悲(かな)しくなってしまいました。

モグラおじさんは、彼(かれ)の鋭(するど)い鉤(かぎ)爪(つめ)で彼(かれ)をトンネルの隅(すみ)におしやりました。

「いまとなっては、こいつは歌(うた)うこともできやしない」と言いました。

「小鳥(ことり)に生(う)まれるってことは、うん!なんと不幸(ふこう)なことなんだろうなぁ」

「おいらの子供(こども)たちに、何(なに)もしないでピヨピヨ泣(な)いてるだけの鳥(とり)たちみたいなやつが誰(だれ)一人(ひとり)いないことに感謝(かんしゃ)しなくちゃな」

「おお、そうですとも!「あなたは、なんとうまいことを言(い)うんでしょう、(本当(ほんとう)に)賢(かしこ)い人(ひと)!」

野(の)ネズミのおばさんは、叫(さけ)びました。

「鳥(とり)たちのさえずりなんか、なんの役(やく)に立(た)つんだろうね?

お高(たか)くとまってても、冬(ふゆ)が来(き)たら飢(う)え死(し)にするか,凍(こご)え死(し)にするのがおちなのにねぇ!」

(ちっっぽけ)は、その話(はなし)には加(くわ)わりませんでした。

モグラのおじさんと野(の)ネズミのおばさんが、話(はな)しながらツバメの背(せ)に回(まわ)り込(こ)んだすきに、やわらかい羽毛(うもう)に抱(かか)え込(こ)まれている(鳥(とり)の)頭(あたま)に近づき、閉(と)じられているまぶたにそっとキスをしました。

「たぶん、この子(こ)は夏(なつ)に私(わたし)に歌(うた)いかけてうっとりさせてくれた子(こ)にちがいないわ、愛(あい)らしくって、かわいい鳥(とり)さん!本当(ほんとう)にたくさんの喜(よろこ)びをいただけたわ!」と(心(こころ)の中(なか)で)言(い)いました。

もぐらおじさんは、たいようの光が差し込んでいる場所をうめてそれから野ネズミのおうちへとつれだっていきました。

だけど、その晩(ちっぽけ)は一晩中ぬむれませんでした。

そこで彼女はベッドからぬけだして干し草で大きなうつくしいカーペットを編み、それを死んだ鳥のところへ運び掛けてあげました。

そして、野ネズミおばさんの部屋で見つけた花を置いてあげました。

そのカーペットは羊のけのように柔らかで、ツバメのりょうがわに掛けてあげると冷たいじめんに暖かくよこたわっているように見えました。

「さようなら、あなたは可愛い小鳥だったわ」

「さようなら森がみどりにおおわれてた夏のあいだ素敵なさえずりをありがとう、そのとき暖かな太陽が私達の上にはあったのよね」

それから彼女は小鳥のむねに彼女のあたまをおきました。

しかしすぐに、彼女はおどろいてしまいました。

というのも鳥の中かから何か≪どく、どく≫と言う音が聞こえてくるような気がしたのです。

その音(おと)はツバメのしんぞうの音(おと)にちがいありません。

冬(ふゆ)のさむさに凍(こご)えてしまっているだけで本当(ほんとう)は、死(し)んではいなかったのです。そして、カーペットの温(あたた)かさが、彼(かれ)をいきかえらせたのです。

秋(あき)になりなかまが皆(みな)、暖(あたた)かい国(くに)へと飛(と)び立(た)ったのに、ひとり残(のこ)って寒(さむ)さにつかまって凍(こご)えてしまい、動(うご)けなくなり落(お)ちてそのまま冷(つめ)たい雪(ゆき)が、ツバメの上(うえ)に降(ふ)り積(つ)もったのです。

「何(なん)とか助(たす)けなくっちゃ!」

(ちっぽけ)は1インチしかなくツバメは彼女(かのじょ)よりずっとずっと大(おお)きいのでどうしたらいいのか彼女は身震(みぶる)いしてしまいました。

しかし、勇気(ゆうき)をふるいおこし、かわいそうなツバメにその羊毛(ようもう)のようなカーペットをしっかり掛(か)けて、それから彼女(かのじょ)がかけぶとんに使(つか)っていた1まいの葉(は)っぱを持(も)ってきてかわいそうなツバメの頭(あたま)にかけてあげました。

よくあさ彼女(かのじょ)は、彼(かれ)のようすを見(み)るためにこっそりぬけだしました。

彼(かれ)はいきていましたがよわっていて、あかりを持(も)ちながら彼(かれ)のわきに立(た)たずんでいる彼女(かのじょ)にいっしゅん眼(め)をあけることしかできませんでした。

「ありがとうかわいい小(ちい)さな乙女(おとめ)よ。」

わたしは今(いま)とてもあたたかくなってきています、だからまもなく元気(げんき)をとり戻(もど)し暖(あたた)かい太陽(たいよう)のもとへ飛(と)び立(た)てるでしょう。



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