2012年06月10日
ちっぽけのつづき1
日曜日の朝です。
目覚めは、7時と遅かったです。
部屋の掃除をする時間を割いて、訳をすすめました。
けっこう自分でも面白くなってます。
で、「ちっぽけの話」の続きです。
まず、第一は生活能力、そして知性。
永く生きてきた野ネズミの価値観は微動だにしません。
それが彼女のステータスだから。
若い、ちっぽけには迷いがあります。
自分が幸せを感じる世界に行きたいけれど、お世話になり命まで助けてくれた野ネズミへの「恩」の板ばさみになってしまいます。
ありのままの自分の心を大切にするのか、他の人との協調を大事にするのか?
ふと、「てぃんさぐの歌」の一節が浮かんできました。
これを大変嫌う人もいる。
歌詞自体は、素直な良い詩だと思います。
「夜明け前」や「破戒」はそんな「個」という存在の尊厳をどう捉えるかと言う深い命題につながっていくのでしょうか?
アンデルセンの時代は、フランス革命から100年以内、中世が近世・近代に取って代わる時期です。
まさにそんな時代背景をうかがわせる価値観の相克なのかもしれません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「まぁ、そとはまだ雪(ゆき)がふって凍(こお)りつき寒(さむ)いわ、あなたをお世話(せわ)をするから暖(あたた)かいねどこに今(いま)は、いて!」
それから彼女(かのじょ)は、花(はな)びらに水(みず)をすくってツバメに運(はこ)んであげました。
ツバメはそれを飲(の)みほして、話(はな)し始(はじ)めました。実(じつ)は、いばらのしげみで片方(かたほう)の羽(はね)をきずついてしまい、南(みなみ)の暖(あたた)かいくにへ仲間(なかま)たちとともに旅立(たびだ)つことが出来(でき)なくなっていたのです。
しまいには、寒(さむ)さで地面(じめん)に落(お)ちて(ちっぽけ)が見(み)つけたところにどうやってきたのか、まるっきり思(おも)い出(だ)せないのです。冬(ふゆ)の間(あいだ)ずっとツバメは、地下(ちか)のトンネルにいて(ちっぽけ)は彼(かれ)をいたわりと愛情(あいじょう)でおせわしました。
モグラおじさんも野(の)ネズミおばさんも、そのことは何(なに)も知(し)りませんでした。
というのも、彼(かれ)らはツバメのような働かないで遊んでいるばかりの者を大(だい)きらいだったのです。
やがて春(はる)が、すぐにやってきてひざしが地面(じめん)を温(あたた)めました。
やがてツバメは、(ちっぽけ)におわかれのあいさつをつげました。
そして、モグラおじさんがふさいだ天井(てんじょう)の穴(あな)をあけました。
穴(あな)から差(さ)し込(こ)できた太陽(たいよう)のひかりはたいそう美(うつく)しく、ツバメは(ちっぽけ)にたずねました。
「もしあなたがのぞむなら、私(わたし)のせなかにのり、いっしょにこの緑(みどり)の森(もり)へと飛(と)び立(た)ちませんか?」
しかし(ちっぽけ)は、野ネズミおばさんにだまって旅立つなんてことをしたらきっととても悲しむことを知っていました。
「わたし、いけないわ!」
「おわかれだね!じゃもう、さよならだね!きみは優しくてとても可愛い私の乙女だよ!」とツバメは春の光のなかへ飛び立っていきました。
ツバメを見送った(ちっぽけ)の眼にはみるみる涙があふれてきました。
(ちっぽけ)は、そのかわいそうなツバメがとても好きだったのです。
「チチチチ、チチチチ」とさえずりながら飛び立ったツバメの声がいつまでも、いつまでも新緑の森にこだまして(ちっぽけ)はとても悲しい気分になりました。
それからというもの、(ちっぽけ)は2度と暖かい日差しの中へは自分から出ていこうとはしませんでした。
大麦の種が、野ネズミおばさんの家の上の野原にまかれ、大空に向かいぐんぐん伸びていきました。やがて1インチに満たない(ちっぽけ)にはしげった森のようになりました。
「ちっぽけ、おまえはそろそろ結婚しなくちゃいけないね。
おとなりのモグラおじさんが、お前を嫁にどうかといってるんだけどね?
おまえのような、びんぼうでかわいそうな娘には、なんとまぁ!幸運で、またと無い良い話なんだろうね。
さてっと。
そんなおまえのためのウェディングドレスをこさえてあげなくっちゃいけないね。
冬用の羊の毛の織物と夏用の麻で編んだ織物の2つくらいは、用意しなくちゃいけないさ。
モグラさんは、おまえがモグラさんの奥さんになるについて、何もないおまえに注文は付けないに違いないからね」
野ネズミおばさんは、もう「決まり」と張り切った口調で言いました。
目覚めは、7時と遅かったです。
部屋の掃除をする時間を割いて、訳をすすめました。
けっこう自分でも面白くなってます。
で、「ちっぽけの話」の続きです。
まず、第一は生活能力、そして知性。
永く生きてきた野ネズミの価値観は微動だにしません。
それが彼女のステータスだから。
若い、ちっぽけには迷いがあります。
自分が幸せを感じる世界に行きたいけれど、お世話になり命まで助けてくれた野ネズミへの「恩」の板ばさみになってしまいます。
ありのままの自分の心を大切にするのか、他の人との協調を大事にするのか?
ふと、「てぃんさぐの歌」の一節が浮かんできました。
これを大変嫌う人もいる。
歌詞自体は、素直な良い詩だと思います。
「夜明け前」や「破戒」はそんな「個」という存在の尊厳をどう捉えるかと言う深い命題につながっていくのでしょうか?
アンデルセンの時代は、フランス革命から100年以内、中世が近世・近代に取って代わる時期です。
まさにそんな時代背景をうかがわせる価値観の相克なのかもしれません。
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「まぁ、そとはまだ雪(ゆき)がふって凍(こお)りつき寒(さむ)いわ、あなたをお世話(せわ)をするから暖(あたた)かいねどこに今(いま)は、いて!」
それから彼女(かのじょ)は、花(はな)びらに水(みず)をすくってツバメに運(はこ)んであげました。
ツバメはそれを飲(の)みほして、話(はな)し始(はじ)めました。実(じつ)は、いばらのしげみで片方(かたほう)の羽(はね)をきずついてしまい、南(みなみ)の暖(あたた)かいくにへ仲間(なかま)たちとともに旅立(たびだ)つことが出来(でき)なくなっていたのです。
しまいには、寒(さむ)さで地面(じめん)に落(お)ちて(ちっぽけ)が見(み)つけたところにどうやってきたのか、まるっきり思(おも)い出(だ)せないのです。冬(ふゆ)の間(あいだ)ずっとツバメは、地下(ちか)のトンネルにいて(ちっぽけ)は彼(かれ)をいたわりと愛情(あいじょう)でおせわしました。
モグラおじさんも野(の)ネズミおばさんも、そのことは何(なに)も知(し)りませんでした。
というのも、彼(かれ)らはツバメのような働かないで遊んでいるばかりの者を大(だい)きらいだったのです。
やがて春(はる)が、すぐにやってきてひざしが地面(じめん)を温(あたた)めました。
やがてツバメは、(ちっぽけ)におわかれのあいさつをつげました。
そして、モグラおじさんがふさいだ天井(てんじょう)の穴(あな)をあけました。
穴(あな)から差(さ)し込(こ)できた太陽(たいよう)のひかりはたいそう美(うつく)しく、ツバメは(ちっぽけ)にたずねました。
「もしあなたがのぞむなら、私(わたし)のせなかにのり、いっしょにこの緑(みどり)の森(もり)へと飛(と)び立(た)ちませんか?」
しかし(ちっぽけ)は、野ネズミおばさんにだまって旅立つなんてことをしたらきっととても悲しむことを知っていました。
「わたし、いけないわ!」
「おわかれだね!じゃもう、さよならだね!きみは優しくてとても可愛い私の乙女だよ!」とツバメは春の光のなかへ飛び立っていきました。
ツバメを見送った(ちっぽけ)の眼にはみるみる涙があふれてきました。
(ちっぽけ)は、そのかわいそうなツバメがとても好きだったのです。
「チチチチ、チチチチ」とさえずりながら飛び立ったツバメの声がいつまでも、いつまでも新緑の森にこだまして(ちっぽけ)はとても悲しい気分になりました。
それからというもの、(ちっぽけ)は2度と暖かい日差しの中へは自分から出ていこうとはしませんでした。
大麦の種が、野ネズミおばさんの家の上の野原にまかれ、大空に向かいぐんぐん伸びていきました。やがて1インチに満たない(ちっぽけ)にはしげった森のようになりました。
「ちっぽけ、おまえはそろそろ結婚しなくちゃいけないね。
おとなりのモグラおじさんが、お前を嫁にどうかといってるんだけどね?
おまえのような、びんぼうでかわいそうな娘には、なんとまぁ!幸運で、またと無い良い話なんだろうね。
さてっと。
そんなおまえのためのウェディングドレスをこさえてあげなくっちゃいけないね。
冬用の羊の毛の織物と夏用の麻で編んだ織物の2つくらいは、用意しなくちゃいけないさ。
モグラさんは、おまえがモグラさんの奥さんになるについて、何もないおまえに注文は付けないに違いないからね」
野ネズミおばさんは、もう「決まり」と張り切った口調で言いました。
Posted by yo1 at 10:20│Comments(0)
│孫娘のための童話